DS9テクニカルマニュアルの船

DS9 第125話(「明日なき撤退」"A Time to Stand")に登場するキットバッシュ船についての解説


A_Time_To_Stand_Opening


フランケンシュタイン艦隊

明日なき模型達


以下の写真は、実際に「スタートレック・ディープ・スペース・ナイン(以下 DS9)」で使用され、DS9テクニカルマニュアル(以下 DS9TM)にも描かれている公式模型を展示するものです。これらの船の多くは DS9 第125話(「明日なき撤退」"A Time to Stand")に登場しているようです。実際に発売されている(いた)キットの殆どが異なるスケールであるにも関わらず、これらのモデルはスケール感を全く無視して作られたキットバッシュによるものです。DS9TM にはドミニオン戦争時に個々の艦隊造船所が回収した船の稼動部分やカスタム構成部を用いて建造したものである、とされているのですが...。



コンスティテューション級 変種1
U.S.S. JUPP


側面


上面

     

AMTの映画版エンタープライズの円盤部とナセルをモノグラムのヴォイジャーのパイロンで接続する構成です。DS9TMの著者の一人であるダグ・ドレクスラーによると、模型には船名の記載はありませんが「U.S.S. Jupp」と呼ばれていたようです。

この船がどこに登場していたかは今のところ不明です。

Ex Astris ScientiaStarship Gallery - Various Starfleet Vessels - Other DS9TM Shipsに他のアングルの写真があります。

 

 

エクセルシオ級 変種1
RAGING QUEEN


側面


上面

     

AMTのエクセルシオの円盤部と機関部、リライアントのナセルのパーツを使用しています。船名は「Raging Queen」と読めますが、なぜか「U.S.S.」がついていません。
「明日なき撤退」の冒頭で遠景にある船がこの船である可能性が高いと思われます。 →ビデオキャプチャ

同様のパーツを別の形に組み換えた「U.S.S. Curry」が「明日なき撤退」の冒頭にはっきり見て取れます。 →ビデオキャプチャ

 

 

エクセルシオ級 変種2
U.S.S. HUTZEL


側面

 


下面

     

円盤上部にエクセルシオ、円盤下部にエンタープライズBのパーツを張り合わせ、エンタープライズAのナセルパイロン2枚で上部にエクセルシオのナセル1本を支え、下部に一対のエクセルシオのナセルを持つ特異な船です。ダグ・ドレクスラーによると、模型には船名の記載はありませんが「U.S.S. Hutzel」と呼ばれていたようです。

この船がどこに登場していたかは今のところ不明です。

※下面写真は本来上面写真として渡されたものですが、撮影用支持棒の穴や電源ケーブルが出ていることから下面写真と判断しました。

Ex Astris Scientiaに他のアングルの写真があります。

 

 

エクセルシオ級 変種3
U.S.S. CENTAUR


側面


上面

 
     

AMTのエクセルシオの円盤部にリライアントの上部魚雷ポッドとアームを前後逆に取り付け、エクセルシオのナセル下部パーツのみを左右張り合わせてワープナセルを形作っています。ブリッジはリライアントのものでその前下方にエクセルシオの後部カーゴベイハッチがあります。円盤部上下に縦長の窓が描かれています。

「明日なき撤退」にチャーリー・レイノルズ艦長指揮する「U.S.S. ケンタウロス」として登場しています。 →ビデオキャプチャ


実際の撮影用模型は模型製作者のAdam Bucknerからの命名と思われる「U.S.S. Buckner」となっています。

 

 

イントレピッド級 変種1
U.S.S. ELKINS


側面


上面

     

モノグラムのヴォイジャー円盤部に 1/32 の F14 戦闘機のパーツを前後逆に組み合わせ、AMTのリオ・グランデのパイロンにリライアントのナセルを組み合わせたものです。模型の第1船体からは「U.S.S. Elkins」の船名が読み取れます。

「明日なき撤退」の冒頭で、遠景にあるエクセルシオ級 変種1の近くにある船がこの船である可能性が高いと思われます。 →ビデオキャプチャ

Ex Astris Scientiaに他のアングルの写真があります。

 

 

イントレピッド級 変種2
U.S.S. YEAGER


側面


上面

     


斜前方


斜後方

 

モノグラムのヴォイジャー円盤部にマキ船を第二船体としてそのまま組み入れ、ナセルにヴォイジャーのものを使用したモデルです。ナセルは若干斜側方に傾いています。船体番号の「NCC-65674」はヴォイジャーの「NCC-74656」の組み替えに過ぎません。同名の船がセイバー級に存在しています。

この船は、ドミニオン戦争時に第9艦隊所属の船として何度か登場しています。 →ビデオキャプチャ(画像参照 Ex Astris Scientia)

Ex Astris Scientiaに他のアングルの写真があります。

 

クレジット

これらの写真を関係者から入手し、私に送って下さった Mark Delgado 氏に感謝致します。

また、写真を再配布する場合、写真の出所について詮索しないでください。仮に出所を御存じであっても、これらの写真には「出所不明("source unknown")」と記載して下さい。


あとがき

DS9に登場したキットバッシュ船は 2004年9月3日が最終更新のコンテンツでしたが、アーカイブス収録にあたって文体を「である調」から「ですます調」に変更するとともに Drex Files での新たな写真の公開を受けてテキストの加筆を行いましたが、2013年4月Drex Filesの閉鎖に伴い、2014年10月に写真の参照をEx Astris Scientiaへと変更しました。また、修正図面は最新のものに変更しました。